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デルタ関数とその性質

デルタ関数とその性質
高校数学Ⅲ 分数関数・無理関数・逆関数・合成関数

無限に長いソレノイドがつくる磁場

電磁気学の問題を解く上で基本となるのはマクスウェル方程式 \begin &\nabla \cdot B = 0, & &\nabla \op H デルタ関数とその性質 = i + \frac \\[3pt] &\nabla \cdot D = \rho, & &\nabla \op E = -\frac \end である。とくに、静磁場(時間的に変動しない磁場)の問題を考える上で必要となるのは、磁場に関するガウスの法則 \begin \nabla \cdot B = 0 \label \end とアンペールの法則 デルタ関数とその性質 \begin \nabla \op H = i \label \end の2つだけになる。ただし、\(B\) は磁束密度、\(H\) は磁場の強さ、\(i\) は電流密度を表す。空気の透磁率を \(\mu\) とすると(これは真空の透磁率 \(\mu_\) にほぼ等しい)、磁場の強さと磁束密度のあいだには \begin B = \mu H \end の関係があるので、以下では空気中を想定し、\(B\) だけを使って式を書いていくことにしよう。このとき、アンペールの法則\eqrefは \begin \nabla \op B = \mu \1 i \label \end と書かれることになる。

まず最初にやるべきことは座標系を設定することである。ソレノイドは(長さ無限大の)円柱形であるから、この問題では円柱座標 \((r,\theta,z)\) を用いるのが便利だろう。そこでソレノイドの中心軸にそって \(z\) 軸をとることにして、電線を流れる電流の向きと一致するように \(\theta\) 方向を定める。\(z\) 軸の正の向きは、\(r,\theta,z\) 方向の各単位ベクトル \(e_,\,e_,\,e_\) がこの順で右手系をなすように決めるものとする。このように座標系を定めると、電流密度ベクトル \(i\) は、ディラックのデルタ関数を使って \begin i = n I \1 \delta(r-a) \, e_ \label \end と表すことができる。ただし、\(デルタ関数とその性質 n\) はソレノイドコイルの単位長さあたりの巻き数、\(I\) は電線を流れる電流の大きさ、\(a\) はソレノイドの半径、\(e_\) は \(\theta\) 方向の単位ベクトルである。なお、ディラックのデルタ関数とは \begin \int_>^> \delta(デルタ関数とその性質 r-a) \, dr = \begin \, 1 \ & \text,\,r_\2]\) が \(a\) を含む場合> \\[3pt] \, 0 \ & \text,\,r_\2]\) が \(a\) デルタ関数とその性質 を含まない場合> \end \label \end となる性質をもつ。式\eqrefが正しいことは、上の図の破線で示した長方形領域(横幅 \(l\) で \(e_\) に直交する)において電流密度ベクトル \(i\) デルタ関数とその性質 を面積分したときに、その面を貫く全電流 \(nI\1l\) が正しく得られることから理解できると思う。

さて、座標系が定まったのでさっそく微分方程式を解いていきたいが、微分方程式を持ち出さずとも、磁場 \(B=(B_,B_,B_)\) に対しては系の対称性だけからある程度の制限がついてしまう。というのも、無限に長いソレノイドコイルでは \(z\) 軸方向の並進対称性(すなわち デルタ関数とその性質 \(z\) 軸方向へ平行移動しても系の様子が移動前と何も変わらない)があるため、磁場が \(z\) 座標に依存することはありえない(もしこれが \(z\) 座標に依存して変化したとすると、\(z\) 座標に関してはどこも対等であるはずの世界で、磁場が特別に大きい点や小さい点が出てきてしまう)。同様の理屈で、\(\theta\) 軸方向の移動(回転)によっても系の様子は何も変化しないから、磁場が \(デルタ関数とその性質 \theta\) に依存することもない。したがって、磁場 \(B\) は動径 \(r\) だけの関数であり \begin B = ( \, B_(デルタ関数とその性質 r), \, B_(r), \, B_(r) \, ) \end という形をしていなければならない。(円柱座標で見た磁場は \(\theta\) に依存しないのであるが、通常の \(デルタ関数とその性質 xyz\)-座標系から見たときには偏角 \(\theta\) の値に応じて \(r\) 方向や \(\theta\) 方向が変化することには注意しよう。\(xyz\)-座標から見ると、\(\theta\) 方向の回転によって \(B_\) や \(B_\) の向きが \(\theta\) の関数として規則的に変化(回転)する。)

図2

それでは実際に微分方程式\eqref、\eqrefを解いて磁場 \(B\) の3つの成分を計算していこう。ベクトル解析の公式によると、円柱座標系におけるベクトル場の発散や回転は次で与えられる(\(\,A\) は任意のベクトル場): \begin \nabla \cdot A = \frac \frac (rA_) + \frac デルタ関数とその性質 \frac> + \frac> \end \begin \nabla \op A = \Bigl( \frac \frac> - \frac> \Bigr) \, e_ + \Bigl( \frac<\d A_> - \frac> \Bigr) \, e_ + \Bigl( デルタ関数とその性質 \frac \frac (rA_) - \frac \frac<\d A_> \Bigr) \, e_ \end これらを使って式\eqrefと\eqrefを円柱座標の成分で表してみたい。磁場が \(\theta\) や デルタ関数とその性質 \(z\) に依存しないこと、および式\eqrefの電流密度の表式を代入すると \begin \nabla \cdot B = \frac \frac (rB_) = 0 \end \begin \nabla \op B = -\frac \, e_ + \frac \frac (rB_) \, e_ = \mu n I \delta(r-a) \, e_ \end すなわち \begin \frac (デルタ関数とその性質 rB_) = 0 \label \end \begin \frac (rB_) = 0 \label \end \begin \frac = -\mu n I \1 \delta(r-a) \label \end という3つの常微分方程式が得られる。3つの未知関数 \(B_(r),\,デルタ関数とその性質 B_(r),\,B_(r)\) に対して微分方程式も3つであるから丁度いい。まず、動径成分 \(B_\) に対する微分方程式は簡単に解ける: \begin r \1 B_ = C \ \ \text \end より \begin B_(r) = \frac \end デルタ関数とその性質 となる。任意定数 \(C\) の値は境界条件から決定する。動径 \(r\) の定義域は \([\2 0,\infty)\) であるので、その境界は \(0\) と \(\infty\) になるが、とくに原点 \(r=0\) において磁場が有限でなければならないことより \(C=0\) が要請される。つまり \begin B_(r) = 0 \end である。次に偏角成分 \(B_\) を考えると、微分方程式\eqrefの形は式\eqrefと全く同じであるから、動径成分と同様の計算によって \begin B_(r) = 0 \end デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 が結論される。

最後に式\eqrefの \(z\) 方向成分に関する微分方程式 \begin \frac> = -\mu n I \1 \delta(r-a) デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 \label \end を解こう。このようなデルタ関数を含む微分方程式が現れた場合の定石であるが、デルタ関数が発散する点を境界にして元の微分方程式を2つの領域に分割し、それぞれの領域で微分方程式を独立に解いた上で、最後にそれら2つの解をうまく接続する。今の問題で \(\delta(r-a)\) が発散する点は \(r=a\) であるので、この点を境界として2つの微分方程式 \begin &\frac> = 0 \4 ( r \lt a ) \\[5pt] &\frac> = 0 \4 ( r \gt a ) \end に分ける(デルタ関数 \(\delta(r-a)\) は \(r=a\) という1点を除けば常に \(0\) である)。これらの微分方程式は簡単に解くことができて \begin B_(r) = \begin C_<\mr> \ \ & ( r \lt a ) \\[3pt] C_<\mr> \ \ & ( r \gt a ) \end \label \end となる。ここで \(C_<\mr>,\,C_<\mr>\) デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 は単なる積分定数であるが、両者が同じ値をとる必要はないことに注意しよう。ただ、1階微分方程式に現れる任意定数の数は1つだけになるはずなので、これら \(C_<\mr>\) と \(C_<\mr>\) の間には何らかの関係性がある。その関係を見るために、ソレノイド内部の任意の動径を \(r_<\mr>\)、ソレノイド外部の任意の動径を \(r_<\mr>\) として、区間 \(デルタ関数とその性質 [\2r_<\mr>,\,r_<\mr>\2]\) で微分方程式\eqrefの両辺を定積分してみる: \begin \int_>>^>> \frac> \, dr = -\mu n I \int_>>^>> デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 \delta(r-a) \, dr \end この右辺にデルタ関数の性質\eqrefを使えば \begin B_(r_<\mr>) - B_(r_<\mr>) = デルタ関数とその性質 -\mu n I \end となるので、\(r_<\mr>\lt a\lt r_<\mr>\) に注意して式\eqrefを代入すれば \begin C_<\mr> = \mu n I + C_<\mr> \end という関係を得る。そしてこれより、磁場の \(z\) 方向成分の一般解 \begin B_(r) = \begin デルタ関数とその性質 \mu n I + C_<\mr> & ( r \lt a ) \\[3pt] C_<\mr> & ( r \gt a ) \end \end が求まる。\(C_<\mr>\) は微分方程式だけからは決めることのできない真の任意定数で、境界条件を課すことでその値を決定する。「無限長のソレノイド」という現実には存在しない系であるため、これに適当な境界条件を与えることは少し難しいが、「十分に長いソレノイドコイルの中央付近の磁場は \(\mu nI\) に漸近する」という実験事実より、ソレノイド内部の磁場が \(B_(r)=\mu デルタ関数とその性質 nI\) になるように \begin C_<\mr> = 0 \end と取るのが現実的な境界条件であろう。

以上をまとめると、無限に長いソレノイドコイルがつくる磁場は \begin B = \begin \mu デルタ関数とその性質 n I \1 e_ & \text \\[3pt] \ 0 & \text \end \end となる。ソレノイドの内部であれば、電線に近いところも離れたところも、どこでも同じ磁場 \(\mu nI\1e_\) が発生しているというのは少し意外な結果かもしれない。また、無限長のソレノイドには端が存在しないため、内部の磁束の漏れ出しはなく、ソレノイド外部では至るところで磁場が \(0\) となる。現実には無限に長いソレノイドコイルを用意することなどできないのであるが、その半径に対して十分に長い軸長を持つソレノイドを用意することができれば、その内部の端から離れたところでは近似的に一様と見なせる磁場を発生させることができる。

合成関数とその性質

高校数学Ⅲ 分数関数・無理関数・逆関数・合成関数

2つの関数$y=f(x),\ z=g(y)$があり,デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 \ $$の値域が$$の定義域に含まれているとする.> このとき,\ $$定義域 値域<(g◦ f)(x)1>$ < >$<(f◦ g)(x)>=f(g(x)>)=f(x²+1>)=3(デルタ関数とその性質 x²+1>)-1=$ < >$定義域 値域<(f◦ g)(x)2>$ $<(g◦ f)(x)>=g(f(x)>)=g(2^x>)=log₄2^x>==< x2>$ < >$定義域 値域$ < >$定義域0> 値域0>$ < >$定義域 値域<(g◦ f)(x)0,\ 1>$ < >$定義域 値域 (g◦ f)(x)の値域は,\ 常に(3x-1)²0より(デルタ関数とその性質 デルタ関数とその性質 3x-1)²+11であることからわかる. 底の変換公式\ log_ab=\ を用いると簡潔になる. 対数が絡む場合,\ 0>が定義域になることに注意する. g(x)=log₄xの定義域はx>0なので,\ g(f(デルタ関数とその性質 x))が定義されるための条件はf(x)>0である. 常に2^x>0より,\ g(f(x))の定義域はすべての実数となる. (f◦ g)(x)では,\ まず2^を簡単にできるかが問われる. 対数の定義\ a^p=Mlog_aM\ より,\ 一般に=M>\ が成り立つことを利用する. log₄x==12log₂x=log₂x^=log₂ x 次のように,\ 2^を文字でおいて両辺の対数をとって求めることもできるのであった. A=2^ log₂A=log₂2^ log₂A=log₄xlog₂2 log₂A=log₂ x A= x f(g(x))が定義されるためには,\ そもそもg(x)が定義されなければならない. よって,\ 真数x>0である.\ ここで,\ 通常 xとだけあると,\ その定義域はx0である. ゆえに,\ 実際の定義域がx0であれば,\ 定義域を問われない限りあえて記述する必要はない. しかし,\ 本問の定義域はx>0なので,\ 定義域を問われなくても記述しておかなければならない. y= x\ において,\ x0のときy0だが,\ x>0ならばy>0である. f(x)の定義域はx1なので,\ g(f(x))もx1が前提となる.\ 定義域を問われた場合は,\ 1xより分母x0も加わる. 定義域を問われていない場合,デルタ関数とその性質 \ x0は式からわかるので必要ない. いわゆる反比例のグラフなので,\ 値域はy0であり,\ さらにx1よりy1である. >関数$f(x)=2x-1,g(x)=x+1$について,デルタ関数とその性質 \ 次の関数を求めよ. $(f◦ g)^(x)$ $(g◦ f)^(x)$ デルタ関数とその性質 $(f^◦ g^)(x)$ 逆関数は,\ x=の形に変形した後,\ xとyを入れ替えると求まるのであった. $f(x)=2^x$のとき デルタ関数とその性質 $f^(x)=log₂x$ $=(g◦ f^)(x)>=g(f^(x))=g(log₂x)=

「複雑」をたくさんの「単純」に分解する〜順伝播は「1次関数」と「単純な非線形」の繰り返し

でも、考えてみればこの結果は当たり前のような気もしませんか? もともと近似したいものは「非線形関数」なのだから、当然その分解には「非線形な要素」が必要なはずで、1次関数だけをたくさん用意しても、そこに「非線形要素」をうまく混ぜない限り近似なんてできるわけがないのです。例えるなら、高級フランス料理を塩と砂糖だけの組み合わせで作ろうとしていたようなものです。たしかに塩と砂糖は単純だし、とても役に立ちますが、いくら何でもありえない! ですよね。

これも結論から言ってしまうと、実はこのアイデアはむちゃくちゃ強力です。というのも、このアイデアを使えば、どんな非線形関数でも(※厳密にはいくつか条件がありますが、ここでは簡単のため触れないことにします)精密に近似できてしまうことが数学的に証明されていますCybenkoの定理 / 1989)。

うまく作った1次関数 ⇒ うまく選んだ単純な非線形関数 ⇒ うまく作った1次関数 ⇒ うまく選んだ単純な非線形関数 ⇒ …

というふうに順番に関数に通してゆけば、原理的には綺麗に表せてしまう(いくらでも精密な近似が可能)のです。これは、なかなか面白いと思いませんか。我々はこの1次関数の間に挟んだ「単純な非線形関数」を活性化関数activation function)と名付けることにしましょう。

数式だけで書くと大変。そうだ、図解しよう

今、i (i = デルタ関数とその性質 1, 2, …) 番目の1次関数を y = aix + bi (i = 1, 2, …) と表し、i ( i = 1, 2, …) 番目の活性化関数を fi (i = 1, 2, …) と表すことにしましょう。このとき、先程の「1次関数 ⇒ 非線形(活性化)関数 ⇒ …」の流れを数式で表すと次のようになります。

…とてもじゃないですが、数式で書いてなどいられないほど複雑です。そこで、この流れを図で表してみましょう。入力xを1次関数 y = aix + biに入力するということは、「xにaiをかけて、それにbiを足す」ことだと考えることができます。そこで、その様子を以下のように表します。

さらに、この次にyiが活性化関数 fi デルタ関数とその性質 を通過して出てきた出力を oi と表す(oi = fi (yi )です)ことにしたとき、それを次のように表すことにします。

おおっと! 図がぐちゃぐちゃしてきましたが、何もビビる必要はありません。「入力x1,x2,⋯,xmの1次関数をたくさん計算」し、それらを「全て活性化関数に通し」、またそれらの「1次関数をたくさん計算」し、それらをまた「全て活性化関数に通し」…というのを何度も繰り返し、最終的には出力yにたどり着くという、「さっきのアイデア」を図で書いただけです。これ、数式を使って表そうとすると大変なことになってしまうことは先程も見たとおりなので、この「図解」はなかなか良いアイデアだと言えるわけです。

この「図解」は、まるで「ノード)」と「エッジ)」が繋がった「ネットワーク」のように見えますね。さらに、入力x1,x2,⋯,xmが1次関数と活性化関数を何度も何度も通りながら、左から右に伝わって行くという「流れ」が見えてきます。実はこの「入力の伝わり方」が脳の神経細胞ニューロンを電気信号が伝わってゆく様子に、とても似ている! ということが知られているのです。そのため、我々はこの「入力が1次関数と活性化関数を何度も通って行くことを図解」したこのネットワークをニューラルネットワークNeural Network)と呼ぶ(ニューラルというのは「ニューロン的な」といった意味だと思ってください)ことにするわけです。

順伝播と逆伝播

入力がニューラルネットワークを「1次関数と活性化関数を順に通りながら」伝わっていくことを順伝播forward propagation)と呼びます。

1次関数を「うまく作る」とか、活性化関数を「うまく選ぶ」とかさっきからずっと言ってるけど、それ、そもそもどうやって「選」べば良いの?

ところが、実は我々は実際の「入力と正しい出力のペア(教師データ)」をいくつも用意し、それを用いて1次関数の「適切な選び方」を自動的に求められてしまうのです。この具体的な方法(アルゴリズム)を誤差逆伝播法back propagation algorithm)と呼びます。ニューラルネットワークにたくさん実際のデータを見せて、少しずつ1次関数の「適切な選び方」が自動的に定まってゆく…まるで、これは人間の脳が実際に見聞きした情報によりどんどん「正しく」書き換えられて行き、何かを学んでいるようですね。そのため、これをニューラルネットワークの「学習」と呼ぶのです。

伝達関数ってなに?

制御工学制御理論)とは、入力と出力の関係を表す「伝達関数」と呼ばれる関数を用いて、その入出力システムの挙動や安定性を評価するものです。伝達関数は F(s) というように 複素数 s の関数で表されます。
私たちが「入出力の関係を表す関数」といって直感的に理解しやすいのは、y(t) = f(t) × x(t) というような時間 t の関数です。
しかし伝達関数が扱う”デルタ関数とその性質 領域”は、”時間領域”ではなく”s領域”なのです。

それでは何故、”時間領域”ではなく分かりにくい”s領域”で計算しなければならないのでしょうか?
制御理論について書いてある本ならたいていその理由は説明されているはずなのですが、分かりやすく書かれている本があまり見当たらないように思います。
そこでこのページでは、あるシステムの入出力関係の式を求めるのに何故わざわざ”s領域”で計算を行う必要があるのかについて説明したいと思います。

1. 入力と出力の関係を表す関数について考える

入力と出力の関係を表す関数を求めるとき、その関数は任意の入力に対して出力が求められることが要求されます。
つまり「どのような入力に対しても、その関数を用いれば出力が求まる」というような一般式を求める必要があります。
なぜなら、入力の種類ごとに関数の求め方が異なるようでは非常に面倒です。
また、あらゆる分野において言えることですが、数式は一般化されることにより色々と有効な解析を行うことが可能になります。

抵抗とコンデンサで構成された回路

図1. 抵抗とコンデンサで構成された回路

この回路に 図2 (a) のようなsin波の電圧を入力したとき、出力の電圧は同図 (b) のように入力に対して「遅れ」を持ち、また同時に入力に比べて振幅が減衰して出力されます。

sin波の入出力特性

図2. 入出力特性 (sin波)

一方、図1の回路に図3 (a) のようなステップ状の波形を入力したときは、同図 (b) のようになまった波形が出力されます。

図3. 入出力特性 (ステップ状の入力波形)

図1はローパス回路と呼ばれるもので、上で述べたような特性を持ちます。
さて、問題です。
図1の回路の入出力の関係を表す一般式は、どのようにして求めることが出来るのでしょうか?
この二つの特性を同時に満たす関数 f(t) を求めてみることにしましょう。

図2の特性は入力を A1・sin(w・t)デルタ関数とその性質 とすると出力は A2・sin というようになります。
出力 y(t)、入力 x(t) としたとき、入出力の関係を y(t) = f(t) × x(t) と表したとしたら f(t) は以下のようになります。

f(t) = y(t) / x(t) = B・sin / A・sin(w・t)

しかし、この関数を使って 図3 の特性は出てきません。

さて、それではどのような求め方をすれば任意の入力に対する一般式を導き出すことが出来るのでしょうか?
結論から言うと下の図4 (a) に示す入力に対する出力を求めることができればよいのです。

デルタ関数

図4 (a) はデルタ関数と呼ばれ、t=0 、それ以外で 0 となる関数で、なおかつ積分値が 1 となります。
積分値が 1 となるということは、面積が 1 となるということです。
この関数は直感的には分かりづらいものですが、次のように考えると理解しやすいです。
図4 (b) のように、幅 dt と高さ 1/dt を持つ関数があるとします。この関数の積分値、つまり面積は dt×(1/dt) = 1 です。
デルタ関数は、この図(b)の dt を極限まで小さくした関数と考えてください。

たとえば、図5 (a) に示すように入出力システム G があり、この G に先ほどのデルタ関数の波形を入力したときの出力が同図(デルタ関数とその性質 b)のような波形だったとします。(この応答をインパルス応答と言います。)

入出力システムとインパルス応答

図5. 入出力システムとインパルス応答

このとき制御理論では、任意の入力に対して得られる出力を次のように考えます。
入力と出力を持つあるシステムに、下の図6 (a) のような入力波形が入るとします。
ここでこの入力波形を同図 (b) のように幅の狭いパルスの集まりだと考えます。(非常に幅の狭いパルスだと考えてください。)

ある入力波形

図6. ある入力波形 x(t)

そして、この幅の狭いそれぞれのパルスに対するインパルス応答の合計が出力波形となるのです。 デルタ関数とその性質
図7 (a) は入力ですが、たとえば同図 (b) のように t = τ1 のときのパルスに対する応答について考えてみます。
(パルスの幅 ⊿τ は十分に小さいものとします。)

各τにおけるインパルス応答

図7. 各τにおけるインパルス応答

図5 (b) はインパルス応答ですが、このときの入力はデルタ関数です。
デルタ関数は積分値(面積)が 1 ですが、図7 (b) の場合は x(τ1)×⊿τ の面積を持ちます。
そのため時間 t における応答は g(t - τ1) × x(τ1)×⊿τ と表されます。
また t = τ2 のときも同様に、応答は デルタ関数とその性質 g(t - τ2) × x(τ2)×⊿τ と表されます。

このようにして、入力 x(t) に対する出力 y(t) はそれぞれの細いパルスに対する応答の合計となります。
このパルスを極限まで細くすると下式を得ます。

伝達関数ってなに?

制御工学制御理論)とは、入力と出力の関係を表す「伝達関数」と呼ばれる関数を用いて、その入出力システムの挙動や安定性を評価するものです。伝達関数は F(s) というように 複素数 s の関数で表されます。
私たちが「入出力の関係を表す関数」といって直感的に理解しやすいのは、y(t) = f(t) × x(t) というような時間 t の関数です。
しかし伝達関数が扱う”領域”は、”時間領域”デルタ関数とその性質 ではなく”s領域”なのです。

それでは何故、”時間領域”ではなく分かりにくい”s領域”で計算しなければならないのでしょうか?
制御理論について書いてある本ならたいていその理由は説明されているはずなのですが、分かりやすく書かれている本があまり見当たらないように思います。
そこでこのページでは、あるシステムの入出力関係の式を求めるのに何故わざわざ”s領域”で計算を行う必要があるのかについて説明したいと思います。

1. 入力と出力の関係を表す関数について考える

入力と出力の関係を表す関数を求めるとき、その関数は任意の入力に対して出力が求められることが要求されます。
つまり「どのような入力に対しても、その関数を用いれば出力が求まる」というような一般式を求める必要があります。
なぜなら、入力の種類ごとに関数の求め方が異なるようでは非常に面倒です。
また、あらゆる分野において言えることですが、数式は一般化されることにより色々と有効な解析を行うことが可能になります。

抵抗とコンデンサで構成された回路

図1. 抵抗とコンデンサで構成された回路

この回路に 図2 (a) のようなsin波の電圧を入力したとき、出力の電圧は同図 (b) のように入力に対して「遅れ」を持ち、また同時に入力に比べて振幅が減衰して出力されます。

sin波の入出力特性

図2. 入出力特性 (sin波)

一方、図1の回路に図3 (a) のようなステップ状の波形を入力したときは、同図 (b) のようになまった波形が出力されます。

図3. 入出力特性 デルタ関数とその性質 (ステップ状の入力波形)

図1はローパス回路と呼ばれるもので、上で述べたような特性を持ちます。
さて、問題です。
図1の回路の入出力の関係を表す一般式は、どのようにして求めることが出来るのでしょうか?
この二つの特性を同時に満たす関数 f(t) を求めてみることにしましょう。

図2の特性は入力を A1・sin(w・t) とすると出力は A2・sin デルタ関数とその性質 というようになります。
出力 y(t)、入力 x(t) としたとき、入出力の関係を y(t) = f(t) × x(t) と表したとしたら f(t) は以下のようになります。

f(t) = y(t) / x(t) = B・sin / A・sin(w・t)

しかし、この関数を使って 図3 の特性は出てきません。

さて、それではどのような求め方をすれば任意の入力に対する一般式を導き出すことが出来るのでしょうか?
結論から言うと下の図4 (a) に示す入力に対する出力を求めることができればよいのです。

デルタ関数

図4 (デルタ関数とその性質 a) はデルタ関数と呼ばれ、t=0 、それ以外で 0 となる関数で、なおかつ積分値が 1 となります。
積分値が 1 となるということは、面積が 1 となるということです。
この関数は直感的には分かりづらいものですが、次のように考えると理解しやすいです。
図4 (b) のように、幅 dt と高さ 1/dt を持つ関数があるとします。この関数の積分値、つまり面積は dt×(1/dt) = 1 です。 デルタ関数とその性質
デルタ関数は、この図(b)の dt を極限まで小さくした関数と考えてください。

たとえば、図5 (a) に示すように入出力システム G があり、この G に先ほどのデルタ関数の波形を入力したときの出力が同図(b)のような波形だったとします。(この応答をインパルス応答と言います。)

入出力システムとインパルス応答

図5. 入出力システムとインパルス応答

このとき制御理論では、任意の入力に対して得られる出力を次のように考えます。
入力と出力を持つあるシステムに、下の図6 (a) のような入力波形が入るとします。
ここでこの入力波形を同図 (b) のように幅の狭いパルスの集まりだと考えます。(非常に幅の狭いパルスだと考えてください。)

ある入力波形

図6. ある入力波形 x(t)

そして、この幅の狭いそれぞれのパルスに対するインパルス応答の合計が出力波形となるのです。
図7 (a) は入力ですが、たとえば同図 (b) のように t = τ1 のときのパルスに対する応答について考えてみます。
(パルスの幅 ⊿τ は十分に小さいものとします。)

各τにおけるインパルス応答

図7. 各τにおけるインパルス応答

図5 (b) はインパルス応答ですが、このときの入力はデルタ関数です。
デルタ関数は積分値(面積)が 1 デルタ関数とその性質 ですが、図7 (b) の場合は x(τ1)×⊿τ の面積を持ちます。
そのため時間 t における応答は g(t - τ1) × x(τ1)×⊿τ と表されます。
また t = τ2 のときも同様に、応答は g(t - デルタ関数とその性質 τ2) × x(τ2)×⊿τ と表されます。

このようにして、入力 x(t) に対する出力 y(t) はそれぞれの細いパルスに対する応答の合計となります。
このパルスを極限まで細くすると下式を得ます。

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